依存症って?治る病気?

アルコール使用障がい(アルコール依存症)は数ある精神障がいの一つです。

まず勘違いしてほしくないのですが。

基本的に性格でも個人の資質でもありません、少し前までは「脳の障害・機能不全状態」とされています。

そのメカニズムですが、脳のある部位、腹側被蓋野(ふくそくひがいや)のA10細胞とギャバ細胞が機能不全に陥っています。A10細胞はドーパミンという神経伝達物質を出しなさいと命令する部位です、ドーパミンは快楽や幸福感・やる気を出す働きを持っています。反してギャバ細胞はそれを抑止する命令を出す部位です。つまりここの機能が不全という事は、依存行為が止められなくなっているという事です。

体内に入ったアルコールはアルコール分解酵素によって分解され、最後は水と炭酸ガスになって体外に排出されるのですが、アルコールの次の分解物のアセトアルデヒドがまだ分解されていないアルコールと一緒になって血流にのって脳に流入します。どちらの物質も人体にとっては毒物です、脳に影響を与えます。特に前頭葉は人の知性や理性そして記憶を司る部分です、つまり人格を形成する部分です。ここがやられることによって、通常では考えられない行動に出ます。つまり暴力や暴言、意味不明な行動などです、これによって人格が破綻したように見えます。そして運動を司る小脳も機能不全になり、酩酊状態・他の震え・ろれつの弊害などの症状が出ます。

どれも脳とそれを構成している、脳細胞・脳神経・神経伝達物質の障害が出る事によって、生活及び生命が破綻します。薬物特に精神に影響を与える薬物は全て脳に作用しますので、コントロールが不能になると、色々は弊害が起きてくるという事です。(アルコールはバルビツール系の麻酔薬に分類される薬物です)

ただし最新の研究は少し違っています。

依存は人間が生きていく上と生活する上で欠かせないものだという事が分かってきました。

つまり、依存物などは必要なものだということです。

なぜかというと、人はその人生の中で、必ず辛い事や苦しい事に遭遇します。それによって身体と精神に痛みが生じます。それをほうっておくと、自分が潰されてしまい、最悪は生命の危機に陥ります。それを癒すため、救うために必要なのが依存なのです。

ですから依存なくして、人は存在できないとも言えるでしょう。

前述の快楽や快感の脳内回路が構築されたためではなく、痛みに対応するためだということです。

ですから、今現在依存の真っ只中の方は絶対的に依存を断つことがベストの選択だとは言い切れません。

そのような政策や医療の方法の事は後で記述します。

ハームリダクションと言います。